東京農業大学
学長 江口 文陽

東京農業大学
学長 江口 文陽

令和4年4月吉日

東京情報大学校友の皆様 はじめまして

 新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的な感染拡大に直面し、国際社会は円滑な活動が停滞しました。社会構造や感染防止対策を講じながらの国際的な交流を推進しようと試みていますが、予測困難な新たな問題が私たちの行動を制限していますそのような状況下において通信や医療に関する知識や技術の活用は、新たな時代を牽引するシーズとして注目されています。 
 高等教育機関である大学は、総じて学際的な研究を進展させて、知識を有した人材を社会に輩出するために、多様な専門性を持った教職員が学生の教育と研究にチーム力を持って対応することが求められています。すなわち学生の人間力を高めるための教育の質が重要です。さらに、令和の時代はグローバル化に関する戦略が不可欠です。 
 東京農業大学では、そのような時代を科学的な判断を基盤として生き抜くことができる知識を身につけた人材育成のために環境や社会的な情勢の変化に迅速かつ柔軟に対応することができる教育研究体制を構築していきたいと考えています。 
 東京農業大学の教育研究は、食料、衣料、住宅材料や医薬品などに関する基礎から応用、森林や海洋など地球環境をとりまくグローバルな世界、さらには化石燃料に代わるエネルギー資源の開発にまで至っています。さらに総合農学の技術改革は、国を挙げた農業形態としてICT(情報通信技術)やAI(人工知能)などの先端技術を利活用した農業の省力化を進めることで生産効率を高める取り組みもあります。こうしたメカニカルな技術を活用して産業振興を推進するためには、東京農業大学と東京情報大学の新たな連携が鍵となると確信しています 
 机上理論から派生した実験、実習ではなく、大自然に備わった農林水産物資源を知的財産として教育と研究に活かしていくフィールドを基軸として五感で感じ取り、不思議に思ったことや疑問を「自らが調べる」、「人に聞く」、「実験する」とした行動や実装によって知識や技術を自らの力としていく教育の場が、「東京農大らしさの学びの現場となるものと確信していますそうした研究を情報通信の技術に乗せ、得られた科学的なデータを解析する情報解析学においては、東京情報大学および校友の皆様の力を借りることが研究や技術、さらには産業振興の即時戦略に繋がるはずです 
 社会情勢に応じた教育研究システムを東京農業大学に整備するためには、法人傘下の2つの大学の取り組みを相互に活用することが他には類を見ない大学としてのブランド構築になるものと考えています 
 東京農業大学学長として2大学の発展のために相互協力と新たな戦略への展開を切望します。 
 新型コロナウイルス感染症や激動する国際情勢の中で厳しい状況におかれていますが東京情報大学校友皆様のご健勝とご活躍を祈念しご挨拶とさせていただきます。