水谷 正大 先生

  • 専  門力学系の理論、計算科学

  • 退職時期東京情報大学の開学当初から2004年3月までお世話になりました。以降も卒業生を中心に今なお交流を続けることができ感謝しています。

  • 校友(会)に期待すること、校友同士の交流についての要望
    大学と校友会とは同じ目標を掲げる1つの有機体であってほしいと願っております。 
    卒業生の活躍を校友会活動が支えるという構造を各々できる範囲で作っていきましょう。「先生の関心ごと」で触れる問題を抱えている大学の問題は、校友会活動の緊密化により卒業生同士の水平的なつながりを維持することによって道が開かれる可能性があります。

  • 先生の関心ごと
    (a) 大学という場が持つ意味が大きく変わったと強く感じます。高度教育・研究機関たるべしという思いは変わりませんが、その姿を実現すべきあり方として、学部の細分化とそれに伴う教育の現在のあり方、とくに私立大学で多く見られる現象には違和感を持っています。
    文理融合やデータサイエンスなどと言いながらも、実態は高校から続いている文系理系の峻別は、大学において学ぶ範囲が限定されることによってなお一層固定されてしまっています。入学してくる学生の可能性を大学教育が大きく制約してしまうことは大学自身が内部に作り上げてきた壁の存在に起因します。これをどう打破するかを提示するかは大学の責任です。
    (b) 異なる考え・立場や矛盾を統合・止揚する行為が学問・研究の姿であり、平和への1つの道筋であったと思います。現在においても異なる背景や興味をもつ者たちが集った混沌の中からそれぞれの能力を生かす出口・方向性として大学の学部があるべきでしょう。「混沌」を引き受けるという大学の覚悟は今後の大学のあり方・評価を定める大きなポイントになるでしょう。
    技巧論になり易い現在の学部枠ごとの専門教育の実施は1991年の大学設置基準の大綱化によって加速されてきたわけですが、昨今の文理融合やデータサイエンスなど教育行政からの「指導」はこれらの政策転換(失敗)とみなすことができます。
    制度的な議論が必要でしょうが、教養基礎教育を一層充実させ3年生から学生の適正と興味に応じた学部配属とする高等教育へ転換することによって、学生は息の長い(問題発見型の)「役に立つ」教育成果を維持できるのではないかと思います。
  • 好きな言葉
    たくさんあって日々移ろっています。『旅に病んで夢は枯野をかけめぐる』(芭蕉)てるっぽいです(苦笑)。